ダンベルプルオーバーの効果とやり方を知っておけば、大胸筋に普段とは違った刺激を与えられます。また、広背筋にも効果的!ちょっと違った胸の筋肉の鍛え方に取り組んでいきましょう。
ダンベルプルオーバーの効果とやり方を確認してみましょう。
「厚い胸板が欲しいのに、何だか大胸筋が思うように大きくならない! なぜだ!?」
こんな悩みを持っているとしたら、もしかして、厚い胸板が欲しいからとベンチプレスばかりしていませんか?
確かに、ベンチプレスは胸の筋肉の鍛え方の王道ですが、ベンチプレスばかりやっていては、ある時から効果があまり感じられなくなってしまうこともあるかも。筋トレで最も重要なの、筋肉に常に刺激を入れること。つまり、「慣れ」を防ぐこと。
そんな、発達が鈍ってきた大胸筋に、今回紹介する胸の筋肉の鍛え方で、今までにない新たな刺激をガツンと送り込みましょう!
その筋トレとは少しマイナーな種目ながら効果絶大の大胸筋の筋トレ、ダンベルプルオーバー。
ベンチプレスほどは有名でないけど、厚い胸板が欲しい方は要チェックな筋トレです。
早速、効果とやり方を確認して、この胸の筋肉の鍛え方を実践してみましょう!
- ダンベルプルオーバーとは?【概要】
- ダンベルプルオーバーのやり方
- ダンベルプルオーバーのポイント
- ダンベルプルオーバーの筋トレ効果
- ダンベルプルオーバーの注意点
- ダンベルプルオーバーの効果とやり方|胸の筋肉の鍛え方に!大胸筋の筋トレのまとめ
ダンベルプルオーバーとは?【概要】
ダンベルプルオーバーはトレーニングベンチに仰向けになり、ダンベルを握った腕を頭上から上に動かしていく、肩関節伸展の変形動作(本来肩関節の伸展動作は肩から腕を後方に振る動作)を通して、大胸筋や上腕三頭筋を中心に鍛えていく筋トレ。
(※肩関節の伸展動作には本来大胸筋は関わらないが、仰向けになって頭上に深く下ろしたウェイトを、肩関節の伸展動作で引き上げるという変形動作のため、大胸筋が大きく関与することになる。これがよく議論される、プルオーバーが大胸筋にも広背筋にも効果がある理由。)
他の多くの大胸筋の筋トレが、肩を軸に腕を水平面で前方へ振っていく水平内転の動きによって、大胸筋に横方向に力が入るのに対して、ダンベルプルオーバーでは肩関節の伸展動作のため、縦方向に力が入るのが特徴。
そのため、他の大胸筋のトレーニングには慣れてしまった筋繊維に、全く別の刺激を与えて筋肉の慣れを防ぎ、成長を促していくのに効果の高い筋トレ種目です。
大胸筋の中でも特に上部へ効果が高く、また上腕三頭筋については内側に位置する長頭に最も刺激が加わり、それ以外にも大胸筋上部外側の深部にある小胸筋や、脇下の深層にある前鋸筋、本来肩関節の伸展動作の主力筋である背中の広背筋と大円筋も、サブターゲットとして刺激していくことになります。
ダンベルとトレーニングベンチさえあれば行える筋トレですが、効果を出していくためには正確なフォームやちょっとしたテクニックが必要なため、中級者以上向きの筋トレであると言えます。
また、この筋トレでは一つの動作の中で、一つの関節(肩関節)の動作しか含まれないため、単関種目(アイソレーション種目)の筋トレに分類されますが、関与する筋肉はアイソレーション種目としては多い筋トレです。
ダンベルを頭の後方へ下げて行く際に肘を曲げていく場合は、厳密には肘関節動作も含まれるため、多関節種目(コンパウンド種目)と考えることも出来ます。
ダンベルプルオーバーのまとめ | |
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運動のタイプ | 筋力トレーニング |
筋トレタイプ | アイソレーション |
筋トレレベル | 中級 |
力の出し方 | 引く力(※最後の局面では一部押す力も含まれる) |
必要な道具 | ダンベル・トレーニングベンチ |
メインターゲット筋肉 | 大胸筋(上部)・上腕三頭筋(長頭) |
ダンベルプルオーバーのやり方
ダンベルプルオーバーのやり方には、動作の中で肘を曲げたまま行う、ベントアームダンベルプルオーバーや、トレーニングベンチに真っ直ぐと仰向けになって行うやり方などがありますが、ここでは最も一般的な、ベンチに垂直に仰向けになり腕を伸ばしながら行うやり方を紹介していきます。
まず、フラットベンチのサイドから、ベンチに対して垂直に(90度になるように)仰向けになるようにし寝ましょう。この際に、肩甲骨がトレーニングベンチの上に位置するようにしておきます。
ひざは曲げて背中は伸ばし、両足を床へしっかりとつけて体を安定させます。
次に、ダンベルの片側のプレート部分に両手をひっかけて持ち、腕を伸ばしてダンベルを胸の真上に持ってきたらセット完了です。
両腕を伸ばしたまま、孤を描くように肩関節の動作でダンベルを頭の後方まで下げていきます。(多くの場合、頭上よりさらに下げていく際に、自然と肘が少し曲がっていくようになります)
その後ゆっくりと、孤を描くようにしてダンベルを元の場所に戻していきます。
8~12回×3セットを目安に行いましょう。
ダンベルプルオーバーのやり方まとめ
- フラットベンチのサイドからベンチに対して体が垂直になるように仰向けになります
- 肩甲骨はベンチの上に位置するようにしておきましょう
- ひざは曲げて、背中は伸ばして両足を床へつけ、体を安定させます
- お尻の位置はベンチより低くなります
- ダンベルの片方のプレート部分に両手をひっかけて持ちます
- 両腕を伸ばしていき、ダンベルを胸の真上に持っていきます
- これがスタートのポジションです
- 両腕を伸ばしたままダンベルを頭の後方まで下げていきます
- 下げていくときの軌道は孤を描くようにしていきます
- 肩関節の動きでダンベルを下ろしていきます
- 頭上にダンベルが来てさらにダンベルを下ろしていく際には、肘関節も曲がっていきます
- 大胸筋がストレッチするのを感じましょう
- 息は吸いながら行っていきます
- その後、ダンベルをゆっくりとスタートのポジションへ戻していきます
- ダンベルを下げた時の孤の軌道をたどって戻していきましょう
- 息を吐きながら行っていきます
- 8~12回×3セットを目安に繰り返していきましょう
ダンベルプルオーバーのバリエーション
ダンベルプルオーバーのバリエーションの一つとして、左右の手それぞれにダンベルを握り、動作を行っていくやり方もあります。
この場合は、ダンベルの片方のプレートに手を引っ掛けるのではなく、ダンベルのシャフト部分をしっかりと握っておきましょう。
また、ダンベルを握った際の両手の手のひらは、お互いを向き合うニュートラルグリップにして行っていきます。
ダンベルプルオーバーのポイント
ダンベルプルオーバーは、その名の通り、プルオーバー(頭からかぶる衣類)をイメージした筋トレで、大胸筋へ縦の刺激を入れる胸の筋肉の鍛え方。
この特徴的な動きを通して効果を最大にするためにも、全体のモーションを大きくする事がポイントです。ダンベルを可動域一杯に深く下ろしていき、大胸筋をストレッチさせていきましょう。
また、反動をつけずに動かして、関与する筋肉をしっかりと働かせていくことも大切。
胸の筋肉の鍛え方の一つであるダンベルプルオーバーは、大胸筋とは逆の力の出し方をする広背筋も一緒に鍛えていけるため、二つの筋肉をしっかりと働かせるためにも、動作はゆっくりとコントロールして行っていきましょう。
意識も大胸筋と広背筋の両方に置いておくとよいでしょう。
そして肩の関節を大きく動かすので、開始前には、肩と肩甲骨のストレッチ、ウォーミングアップをしてから行うことをおすすめします。
ダンベルプルオーバーのポイントまとめ
- 全体のモーションを大きくして(ダンベルの軌道を大きく)深くダンベルを下げていく
- 反動をつけずにゆっくりと行い、大胸筋と広背筋をしっかりと使っていく
- 大胸筋と広背筋の二つに意識をおきながら行ってみる
- 開始前には、肩と肩甲骨のストレッチ、ウォーミングアップをしてから行うのがベスト
ダンベルプルオーバーのやり方で他にも覚えておきたいこと
ダンベルプルオーバーのやり方で、次の事項も覚えておくと何かと効果的かと思うので、確認しておきましょう。
- ダンベルプルオーバーでは、片方のプレートに手を引っ掛けるようにしてダンベルを持つため、そのプレートが絶対に外れないように念入りに確認しておくようにしましょう。万が一外れると、ダンベルが顔面に落ちてくることになります。
- ダンベルを上げていく時は、ダンベルが前方に行き過ぎないようにもしましょう。ダンベルは、顔の真上に戻すようにしてください。
- ダンベルをどの程度まで深く下ろせるかは、個人の肩関節の柔軟性によって変わってくるため、他の人がより深く下ろせるからと言って、無理をしないようにしてください。
ダンベルプルオーバーの筋トレ効果
ダンベルプルオーバーは大胸筋や広背筋を同時に鍛える事ができるため、厚い胸板や背中を手に入れるために効果的。
また、上腕三頭筋にも効果が高く、腕を太くしたいといった場合にも大きな効果を発揮すると言えます。
さらに既に触れた通り、数ある胸の筋肉の鍛え方と違い、ダンベルプルオーバーは大胸筋に縦方向の刺激を入れることが出来るため、胸の筋肉へ新たな刺激を送り、プラトー(停滞期)の打破という点においても効果があります。
この他、ダンベルプルオーバーで鍛える筋肉群は、上半身の中でも最も大きな筋肉群になるため、基礎代謝の向上などにも優れており、ダイエットにも効果を期待出きるかもしれません。
ダンベルプルオーバーは複数の筋肉へ刺激を与えるその効果によって、肉体改造を総合的に行いたい場合には取り入れることをおすすめしたい筋トレです。
ダンベルプルオーバーの注意点
ダンベルプルオーバーは慣れない体勢で行う筋トレのため、怪我への注意が必要です。
まず、セット時やダンベルを下ろした際に腰を反らせると、腰を痛める原因になるので注意しましょう。あくまでも背中は自然とまっすぐにして、お尻はベンチより下になるようにしておきましょう。
また、ダンベルを頭上で動かすため、初めから重いウエイトで行うのではなく、フォームを維持して安全に行える負荷に設定しておきましょう。
必要であれば、トレーニングパートナーに補助をしてもらいながら、ダンベルの動かし方を体に覚えさせていくと良いかと思います。
ダンベルプルオーバーの効果とやり方|胸の筋肉の鍛え方に!大胸筋の筋トレのまとめ
いつも横方向に刺激を受けている大胸筋に、このダンベルプルオーバーで縦の刺激を入れて、胸の筋肉をガツンと目を覚ましてあげましょう。
そうすれば、大胸筋がさらに大きく発達することになると思いますよ!
また、他の筋トレ種目では集中して鍛える事が難しい広背筋も、大きく伸展・収縮するので新たな刺激に、筋肉はしっかり反応してくれるはずです。
ちなみにちょっとしたコツですが、ダンベルを下ろした時には意識的に肘の角度を調整すると、刺激が入る筋肉をある程度コントロール出来ます。肘を完全に伸ばしたままにすると、大胸筋よりも広背筋の方に刺激が強くなるといった具合です。
曲げる角度を微調整して、一番刺激を入れたいところへ合わせると良さそうじゃないですか?
筋肉たちが新たな刺激を待っていますよ!この広背筋と胸の筋肉の鍛え方をさっそくトライしてみましょう!