リバースクランチは下腹部の鍛え方として効果が高く、腹直筋全体を鍛えながら腹斜筋も関与させていく、優れた腹筋の筋トレです。
リバースクランチは、次のような悩みを抱えている人にとってはおすすめ。
- 「腹筋の筋トレをしているのに下腹が全くへこまない」
- 「一般的な腹筋運動をやると腰が痛くなってしまう」
「腹筋の筋トレをしているのに下腹が全くへこまない」という場合は、腹筋の上部ばかり鍛えていて、下腹部の鍛え方が出来ていないからかも。
そして、「一般的な腹筋運動をやると腰が痛くなってしまう」という場合、おそらくシットアップやクランチを行っている場合がほとんどかと思いますが、痛みのせいで長く続けられないなんてことになってしまっているかも。
そんな状況を解決するためにも、リバースクランチがとても効果的。
下腹部をしっかりと鍛えながらも、痛みを抑えて腹筋全体を鍛えていけるリバースクランチのやり方や効果を紹介していきます。
- リバースクランチとは?【概要】
- リバースクランチのトレーニング方法(やり方)
- リバースクランチのポイント
- リバースクランチの筋トレ効果
- リバースクランチの注意点
- リバースクランチに次の筋トレを合わせてみたら?
- リバースクランチは下腹部の鍛え方として効果大!腹直筋や腹斜筋に効く筋トレ
リバースクランチとは?【概要】
リバースクランチは、一般的な腹筋運動の一つであるクランチを逆に行う筋トレ種目。
仰向けになり、膝を曲げた両脚を胸の方へ引き寄せるように動かしていくことで、体幹の屈曲(脊柱を曲げて上体を丸める動作)を行い、主働筋である腹直筋を中心に、その動作をサポートするようにして一緒に働く協働筋の腹斜筋をサブターゲットとして刺激していきます。
クランチと逆の動作を行うことで下腹部の方から動作が始まるため、必ず腹直筋の下部に負荷が入るといった特徴があり、その後、さらに体幹を屈曲させていくことで、腹直筋全体にまでしっかりと効いてくることになります。
さらに、腰を床に押し付けて体幹を屈曲する必要がないため、腰への負担も少なく、通常のクランチやシットアップと比較して腰に痛みが発生しにくいといった特徴もあったり。
特に必要な道具もなく、十分なスペースさえあれば難しいフォームやテクニックを覚えることなく開始していけるため、初心者からでも気軽に取り組め、下腹部にしっかりと刺激を入れて腹筋を鍛えたい場合なんかには、おすすめの筋トレ種目です。
このリバースクランチは、動作の中で体幹の動作しか含まれなく、特定の筋肉を集中して使っていくことになるため、単関節種目(アイソレーション種目)の筋トレとして分類されます。
(※ただし微妙にだが脚を前方に振って太ももを持ち上げる股関節の屈曲動作も含まれるため、コンパウンドに近いアイソレーションである)
リバースクランチのまとめ
運動のタイプ | 筋力トレーニング |
---|---|
筋トレタイプ | アイソレーション |
筋トレレベル | 初級 |
力の出し方 | 引く力 |
必要な道具 | 自重 |
メインターゲット筋肉 | 腹直筋 |
リバースクランチのトレーニング方法(やり方)
リバースクランチは床に仰向けになって行うやり方や、トレーニングベンチを利用した方法などいくつかのバリエーションがありますが、ここでは最も一般的な床でのやり方を紹介していきます。
床に仰向けになり、体の横に自然な形で両腕を伸ばしておきます。
そして、脚を上げていき、膝を曲げましょう。この時の膝の角度はおよそ90度にしておきます。これでセット完了です。
膝の角度を維持したまま、腹筋に力を入れてお尻を床から浮かし、膝を胸の方へ向けて動かしていきましょう。
体幹を屈曲させ切った状態で1~2秒ほど静止し、その後ゆっくりと最初のポジションまで戻していきます。
この動作を、10~15回×3セットを目安に繰り返していきましょう。
リバースクランチのトレーニング方法まとめ
- 床に仰向けになります
- 両腕は体の横に自然と伸ばしておき、バランスをとりましょう
- 脚を上げて膝を曲げていきます
- 膝の角度はおよそ90度に曲げておきましょう
- これがスタートのポジションです
- 腰を浮かせて体幹を丸めるようにしながら両膝を胸の方へ動かします
- 腹筋の力を使って動かしていきましょう
- 息は吸いながら行っていきます
- 体幹を曲げきったところで1~2秒腹筋を収縮させて静止しましょう
- その後、腹筋に力を入れたままゆっくりとスタートポジションまで戻ります
- 息は吐きながら行っていきましょう
- 10~15回×3セットを目安に繰り返していきます
リバースクランチの種類① フラットベンチリバースクランチ
リバースクランチを行う際に、床ではなくフラットベンチの上で行うやり方も一般的です。
この場合、ベンチに仰向けになったら、頭の後ろに手を回してベンチを掴み、上半身を固定して行っていきましょう。
ベンチで行うリバースクランチの方が、両手で体を固定出来る分、安定感が増し、より体幹の屈曲動作へ集中しやすいといったメリットがあります。
リバースクランチの種類② インクラインベンチリバースクランチ
また、負荷を高めたいならインクラインベンチを利用したリバースクランチがおすすめ。
斜めに傾斜を付けたインクラインベンチでリバースクランチを行うことで、両足を胸の方へ引き上げていく動作に、より大きな力が必要になり、下腹部はもちろん、腹直筋全体へ大きな刺激を加えていけることになります。
さらに負荷を付け加えるために、両足にダンベルなんかを挟んで行ってみても良いかもしれないですね。
リバースクランチのポイント
体幹の屈曲動作の筋トレで重要なのは、膝関節と股関節の動きではなく、腹筋の収縮によって体幹が曲がり、骨盤と胸部が近づくこと。
下腹部を中心に鍛えるといっても、この筋トレはあくまでも体幹の屈曲動作が中心になるべきトレーニング。
そのため、股関節や膝関節を中心に動かしていくのではなく、あくまでもお腹前面にある腹直筋の収縮を意識しながら、お腹の横にある外腹斜筋と内腹斜筋のサポートも借りて、体幹を曲げていくようにします。
また、動作中は常に腹筋の緊張が抜けないように心がけましょう。
両脚を胸の方へ近づけていく時は、反動を使ってお尻を上げないようにし、逆に、離していく時は、ゆっくりと負荷に耐えながら動作をコントロールして行っていくようにします。
下腹部の鍛え方リバースクランチのポイントまとめ
- 膝関節や股関節の動作ではなく、あくまでも腹筋を収縮させていく
- 常に腹筋の緊張が抜けないように心がける
- 反動を使ってお尻を上げたり、勢いよく下げたりしない
リバースクランチのやり方で他にも覚えておきたいこと
リバースクランチのやり方で、次の事項も覚えておくと何かと効果的かと思うので、確認しておきましょう。
- リバースクランチの動作中に、首を地面から離して上げてしまうことがないようにしましょう。首に不要な負荷がかかり、痛みを引き起こしてしまう可能性があります。
- 脚を動かしていく際は、必ず両脚が同時に動くように行っていきましょう。
リバースクランチの筋トレ効果
リバースクランチは、数ある腹筋の筋トレ・下腹部の鍛え方の中でも、下腹部から動作を初めて、しっかりと腹直筋下部にも刺激を加えながらも、体幹の屈曲動作を通して腹直筋全体、そして、外腹斜筋、内腹斜筋をサブターゲットして同時に鍛える効果があります。
これにより、満遍なく腹直筋を鍛えていく効果が高いとされ、腹筋全体の引き締めを行っていくなかで、ぽっこり下腹の解消や、ウエスト全体のシェイプ効果が期待出来るといえます。
また、引き締まったパーフェクトな腹筋を手に入れる時に、最後まで悩みの種となるのが、腹直筋下部だったりすので、リバースクランチを通して下腹部(腹直筋下部)までを刺激していけば、腹筋最後のピースをあてはめて、自慢できる腹筋を手に入れることが出来るはず。
他にも、体幹の屈曲はあらゆる身体動作に結びついてくるため、リバースクランチは体の運動能力を高めるためにも有効だと言えます。
リバースクランチと通常のクランチやシットアップの効果比較
ちなみに、リバースクランチと通常のクランチやシットアップは、同じ体幹屈曲であっても、ちょっとその効果や作用が変わってきます。ここではリバースクランチと通常のクランチとシットアップの効果を、簡単に比較してみたいと思います。
まず、通常のクランチの場合、体幹を曲げる際には腹直筋上部の方から上体を曲げていくことになる。この場合、縦に長い腹直筋の上部を刺激するには効果的だとしても、実は腹直筋下部まで刺激を加えていくのはなかなか難しかったりします。
また、シットアップの場合、上体を高く上げていく過程で、股関節の屈曲筋である腸腰筋が比較的強く関与してしまうため、腹直筋下部への負荷が思ったほど強くなくなってしまうといった弱点もある。
さらに、クランチもシットアップも、腰を常に床に当てて行うため、腰が痛くなってしまうといったデメリットもあります。
- 通常のクランチは腹直筋下部に負荷が掛かりにくい
- シットアップは腸腰筋の関与が大きく腹直筋下部に思ったほど負荷が入らない
- クランチもシットアップも腰を痛めやすい
リバースクランチにはこのような弱点がないため、下腹部に含まれる腹直筋下部を中心に腹直筋全体を鍛えていくには、実は、より効果的であるとさえ言えるかと思います。
リバースクランチの注意点
リバースクランチは、触れたように、腰に痛みが発生しにくいといった特徴がある体幹屈曲の筋トレです。
だからといって、すでに腰に不安を抱えている人などは、リバースクランチを行う前に必ずかかりつけの医師に相談したりして、安全を確かめた上で行っていくようにしましょう。
また、リバースクランチを繰り返していると、いつの間にかひざを伸ばした状態で繰り返してしまっているなんてこともあります。
そうすると、体幹の屈曲動作以上に股関節の屈曲動作の筋トレとなってしまうので、動作中は常に膝が曲がった上体をキープするように注意しておきましょう。
また、腹直筋下部が弱い人は、無意識のうちに背中が反ってきやすかったりします。
もし、そうなってしまったら、エクササイズボール(バランスボール)を両足で挟んで行うようにすると、背中の反りがとれるのでぜひ試してください。
ポンプ付きのエクササイズボールらしいよ
リバースクランチに次の筋トレを合わせてみたら?
リバースクランチは下腹部の鍛え方として効果大!腹直筋や腹斜筋に効く筋トレ
これで、他の腹筋の筋トレでなかなか解消できなかった、下腹部の悩みが解決できそうじゃないですか?
ポイントは動作の終始、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋を縮ませて伸ばし、腹筋と腰がしっかりと床に押し付けられるようにして緊張させることです。
そうすると、腹筋の内側が燃えるような感覚になって効果大。全神経を集中させてフラットなお腹を目指しましょう!