筋トレやトレーニング一般の知識を付けましょう。筋トレの一般的な用語を学びましょう。筋トレも学問と一緒で、知識が増えれば増えるほど、トレーニングのバリエーションも増えて、思う通りの効果を出せることになります。
そんな筋トレの知識・用語の中でも、今回はちょっと変わり種として、SAQトレーニングというものを紹介しようと思います。
SAQトレーニングとは?
SAQトレーニングとは筋肉の肥大化や筋肉量を目指すような、一般的な筋トレとは違ったトレーニングで、簡潔に言うと、「速さや全体的な動作スピードを高めるためのトレーニング」となります。
元々の起源は、ボール競技(バスケットボールやアメフトなど、体の動作スピードを求められるもの)のパフォーマンス向上のために、アメリカで開発されました。SAQトレーニングのSAQのアルファベットはそれぞれ、次の頭文字をあわらしています。
- S=Speed(直線的なスピード)
- A=Agility(俊敏性:方向転換や急停止した時にもスピードを発揮できる力)
- Q=Quickness(反応の能力・動作を素早く行える能力)
ここで、SAQ(Speed, Agility, Quickness)の3つについて、もう少し詳しくみていきましょう。
Speed(直線的なスピード)
ここでスピードというのは、個々人が達成または維持できる最大の速度として定義できます。
最大速度というのは、基本的に短い時間又は短い距離でしか発揮できないものです。ある一定の距離を動くためにかかった時間についても、スピードとして考えます。
Agility(俊敏性)
俊敏性とは、バランス、強さ、スピード、そして体のコントロールを失うことなく、方向転換や急停止を出来る能力と言えます。俊敏性を鍛えることで、個々人のタイミング能力やリズム、そして体の動きを高めていくことができます。
例えばラグビーで言うと、俊敏性を高めることによって、消費エネルギーを最小にしながらも、反応能力やスピード、そしてコントロールを保ちながら、相手へ攻撃又は防御することが出来るようになります。
Quickness(反応の能力・動作を素早く行える能力)
素早く反応して動作を行える能力というのは、例えて言うと、サッカーでパスをもらったプレイヤーが、今まで静止していた状態から、即座に動きに移るというのをイメージすると分かりやすいかもしれません。
どちらかというと、神経的な要素が強くなる能力です。関与する筋肉も、実際に即座に伸びたり縮んだりすることになります。
SAQをまとめると
SAQトレーニングとは、筋力が大きく影響するスピードから、神経系の要素が大きくなる俊敏性や反応能力などをトレーニングする総称だと言えるかと思います。
SAQのトレーニングメニューとは
SAQトレーニングについては、ある程度理解出来たかと思います。では、実際にSAQトレーニングとはどのようなトレーニングメニューがあるのでしょうか?
SAQトレーニングは、スピードと、静止から動作開始までの時間や、一定時間内の動作回数をトレーニングすることが必要だと説明しました。それら要素をトレーニング出来る、SAQのトレーニングメニューの例を確認していきましょう。
SAQのトレーニングメニュー例
- 馬跳び
- 馬跳びは、子供の頃良くやる遊びだと思います。この馬跳びを連続で繰り返す場合、特に一人の人と何度も繰り返す場合は、一度飛んだ後に、体を直ぐに逆にしてまた飛んでという繰り返しになります。この場合、まさしくSAQのトレーニング効果が期待できます。
- 反復横とび
- 反復横跳びは、実際に学校などで俊敏性や反応能力を確かめるための運動テストとなっていることもあるでしょう。如何にスピードを持たせながら、方向転換を行い、即座に動作へ移せるかがポイントになり、典型的なSAQトレーニングと言えるでしょう。
- 反復ダッシュ
- 反復ダッシュは、SAQのトレーニングメニューの中でも、スピードの要素が比較的大きなトレーニングです。ある程度の距離を走ることになるので、俊敏性や反応能力も必要ですが、スピードの影響が大きくなります。
- ラダー
- 地面にハシゴを置いて、又はハシゴのようなマス目を作ったヒモを置いて、横に飛んでいく運動です。これも、一定時間内に繰り返し動作をする必要があるので、特に俊敏性を鍛えながら、反応能力やスピードもトレーニングできます。
※ここでは下半身のSAQトレーニングを中心に入れましたが、SAQの考えに照らし合わせながら、上半身のトレーニングにも応用することができます。
SAQトレーニングと筋トレの関係とは?
今までSAQトレーニングを見てきましたが、一見するとあまり筋トレと関係ないようにも思えますよね?もちろんSAQだけで筋肉の肥大化や筋力を大きく高めていくことは、難しいというのが事実です。
しかし、筋トレにポジティブな影響を与える効果をSAQトレーニングに求めることはできます。
どういうことかというと、筋トレの動作には、スピードが必要なもの、動作の切り返しが必要なもの、瞬間的に最大の力を出す必要があるものが多くあります。
動作の切り返しや、瞬間的に最大の力を引き出すことは、まさしく俊敏性や反応能力が必要となり、SAQトレーニングを繰り返しておくことで、筋肉のパワー出力もアップします。
その結果、通常の筋トレ(つまりウェイトトレーニング)などで筋肉量を増やして、さらに筋力を高めつつ、SAQトレーニングを一緒に行うことで全体的なパフォーマンスの向上に繋がると考えられるのです。
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いかがでしたか?
SAQトレーニングという、あまり聞きなれないトレーニング方法を紹介しましたが、役に立ちそうですか?筋トレとは直接関係なさそうですが、日々のトレーニングに取り入れれば、思わぬときに役立ちそうです。
特にスポーツをやっている人なんかは、確実にパフォーマンス向上につながるので、余裕があったら取り組んでみると良いでしょう。